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LIVE REPORT

13年目にして初を成し遂げた『Nij!』配信ライブ

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2020年12月9日(水)に横浜ベイホールにて『Nij!』が開催された。

主催は、産業能率大学アーティストプロモーション講座と大学の授業である。

この授業は、2008年に開講され本年度で13年目を迎え、目標に至るまでのプロセス(コンセプト企画、プロモーション、当日の運営等)やマネジメントを通じてイベントを創りあげる体験・体感型の授業である。

毎年現場にてイベントを開催していたが本年度は、新型コロナウイルスの感染拡大のため観客、運営側の安全を第一に考え、初のオンライン開催となった。このような、新型コロナウイルスの影響で、甲子園をはじめとする部活動の大会や体育祭、文化祭などイベント行事が中止が相次いだのを目の当たりにした私たち。

そのような"青春の場"を失われた高校生に向けて、"青春を届けるフェス"をコンセプトに"青春を届けたい!"

"『Nij!』をみて明日も頑張ろうと思えるようなエールを届けたい"そのような想いが込められたライブであった。『Nij!』の公演模様をレポートする。

開場後流れてきたのは、"どうぞごゆっくり、くつろぎながら、

今しか感じられない青春のひとときをお楽しみください!"と

自由にライブを楽しんで欲しいと学生の想いが込められたオープニング。

その次に、協賛企業として協力した株式会社CRS埼玉のプロモーション動画と

出演したHEADLAMPの今後のライブ告知であった。

Nij!』が終了しても協力してくれた人たちの"力になりたい"という想いが伝わり、

開演前もワクワクして飽きない時間だった。

開演時刻を迎えると画面には雨が降っており

"青春とは誰もがきっと経験してきた時間"との文字に対し人それぞれの青春の時間が映し出される。

最後には空に虹が架かり開幕といったイベントコンセプトを大胆に表現していた。

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アタック映像後画面が切り替わると1アーティスト目のGORIが立っていた。

虹色の照明と共に「初めましてGORIです〜!本日はオンラインライブ『Nij!』盛り上がっていきましょう!」と

持ち前の明るさと元気さで「アイドル(仮)」でスタート。

"(仮)の付いたままのストーリー背伸びしてこのままじゃダメだってそんなこと分かっているから"と

少し緊張気味でも君の1番のアイドルになりたいんだと意思が伝わった。

MCでは「ありがとうございます〜!初めましてGORIと申します〜!皆さんオンラインライブ盛り上がってますか〜!本日は産業能率大学さん主催のオンラインライブ『Nij!』に出演させていただいています。アイドル(仮)の(仮)を外すために頑張って活動しているアイドルの卵(笑)って感じです。(笑)」と(仮)に因んだ話に加えて

「青春ライブっていうことで私もまだ大学4年生と学生なので皆さんと一緒に青春の1ページをね思い出を作っていけるような楽しいライブにしたいなと思います!皆さん最後まで盛り上がって行きましょう〜!」とコンセプトを大切にライブしたい気持ちを述べた。照明が虹から青へと変化し大人チックな「ピーターパンシンドローム」

一瞬照明が落ち、"大人になれない僕を許してくれないか本当の未来は自分で見つけたい"と明るくなる場面ではまるでGORIの心の中を表しているようだった。自分の夢への気持ちを初めて歌詞にした「Stage」では心地良い高音で"届かないと願うには"、"ユメなんて言わせないから"と夢への儚さとこれからの意思がより感じた。

2nd配信シングルである「透明」では青色の照明で透明さや、"キレイナモノばかりに"とスポットライトの

モノトーンが現実と夢の狭間を表していた。3曲歌い終わると配信ライブならではのコメントを読み、視聴者からの[(可愛い)]というコメントに対し「可愛いは( )付けなくて大丈夫ですよ〜本物の可愛いでお願いします!(笑)」と持ち前のトーク力で最初の緊張が解けた様子だった。「同年代の方がねこんなね凄い素晴らしいステージを作っているんだと思うと本当にすごいなと思います。」と主催者である学生への気持ちや「私もまだ学生なのでねこれを観てる皆さんもですけど私自身も青春を届けつつ、私もここで青春をしにきたので楽しみたいと思います!」と一緒に青春をする意思が感じられた。「青春って言葉大好きで。」とGORI自身の高校時代の話や「(仮)を外せるまでぜひ、GORIを見届けて欲しい。」と思いの丈を語った。

「それぞれの楽しみ方で盛り上がって頂きたいと思います!それでは聞いてください。最後の曲リボン。」と

"君はずっとずっとずっと"と耳に残るフレーズで青春時代を思い出してるような、今ここで青春するんだと画面越しにいる視聴者に向けて力を振り絞って歌っていたが、もう終わってしまうのだとどこか寂しい表情だった。

「ありがとうございましたGORIでした!この後も楽しんでってね!」と最後は手を振りながら笑顔で終わった。GORIが将来、大きなステージで歌っている姿が待ち遠しくなった。

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続いてGORIと学生代表の藤島との対談では、

「暑いです!すごい楽しかったです!まじで青春だなあって感じでした!」とGORIがライブの感想を述べた。

質問コーナーでは、GORIの名前の由来やアイドルを目指したきっかけを打ち明けてくれた。

「私なりのハッピーを届けられるようなエンターテイナーなアイドルになりたい!」と「48グループさんだったり坂道さんだったりジャニーズさんだったりとかアイドルさんはいっぱい聴きますね!」と憧れのアイドルをあげ、将来を語った。[カメラ目線が欲しい]という要望にも応え、「今日はこの後カッコいいバンドさんとかいることを聞いていたので、ロックゴリラで!」と衣装のポイントを教えてくれた。

「いつか(仮)が外して大きなライブで皆で会えた時に皆でバナナを交換し合いっこしようね。」と#バナナ交換の素敵なエピソードに加え、「高校の部活動では、陸上部のマネージャーとして荷物をたくさん持てるよう体育倉庫にあるランベルでこっそり練習してた。」と面白いエピソードも話してくれた。思い出繋がりで、12月26日に思い出の場所で初めてのワンマンソロイベント『ゴリラー入門オリエンテーション』が開催することを告知した。

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墨汁が踊る様に流れるアタック映像から始まったのは、川崎市立高津高等学校書道部によるアーティストプロモーション講座初の書道パフォーマンスである。袴姿でYOASOBIの「夜に駆ける」に合わせながら、

息の合ったスピードと一画一画を想いを込めて書き進めていく。バックでは踊って盛り上げる生徒も入れば、大筆で力強く大きく文字を書く生徒の姿が。ようやく出来上がったのは

「ここから始まる夢への道 辛いことも嫌なことも打ち破り さあ、歩め駆け出せ!前進」という文章であった。

かつてはコロナウイルスの影響で部活動の自粛や大会の中止があったに違いない。

しかし、そのような辛いことや嫌なことも打ち破りさあ、歩め駆け出せ!と前を向いて進んでいる自分たちの姿をパフォーマンスに込めていたのが伝わった。視聴者の中でも同じ立場である高校生に向けてアツいメッセージを届けてくれたため、心を打たれる人は多くいたのではないか。

【音楽×書道パフォーマンス】と新たな音楽の可能性を広げてくれた。

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中盤に入るとアタック映像後には、サヨナラの最終回のVo.Gt.シバタが『Nij!』のために制作した特別映像が始まった。「これは僕たちの運命や反逆する物語」と印象に残る言葉からスタートしたのは「才或る兎は侮らなゐ」

プロジェクターに映し出されたVo.Gt.シバタの自作アニメ映像とライブがリンクし、まるで物語を見ているようだった。原曲とは違ったGt.ハヤシTiGタイゴのギターアレンジで音の変化に引き込まれる。

ジャーーンとVo.Gt.シバタのコードから始まった「VIDEOSYNDROME」

Dr.サウザー北斗の存在感のあるバスドラとBa.こうのピッキングでリズムが加速していく。

"ビデオシンドロームは1人で泣くのさ だから何度でも恋に堕ちるのだ"と力強い歌声とは裏腹に

現実には存在しない人を恋してしまった主人公の切なさを感じた。

"忘れて忘れて忘れてしまうのに"とVo.Gt.シバタの優しく包み込む歌声で会場を染めた「あなたが読む物語」

人と人との間に質量保存はないと、かつて一緒にやってきたメンバーと離別した経験からバンドと恋愛のそれと同じ、"それでもあなたを愛してしまう"ともどかしい恋心に心が擽ぐられた。どこか寂しそうだったが"もらったものは返さないわ"と心が晴れたような明るい表情で、バンド自身も前に進んでいるのだと感じた。Dr.サウザー北斗、Gt.ハヤシTiGタイゴ、Ba.コウの思わずうっとりしてしまう音から"僕は嘘つきだ"と放って始まった「トーキョースカイメトロ」

駆け抜けていくような疾走感のあるメロディーとGt.ハヤシTiGタイゴのコーラスで太陽のような暖かさを感じた。

"最後の最後まで愛してくれてありがとう"とメンバーが変わってもそれでも続けていくんだと視聴者に問いかけるような、配信ライブを出来ることにありがとう、続けられて良かったと歌詞とは違った思いが伝わった。

「僕らはいつも誰にも気付かれないように自分の中の悪を誰にも気付かれないように仮面を被って生きている。」と

僕らは皆本当は悪人で考えていることはえげつないと人間の弱さを語る。「そんな悪人でもそんな悪人の僕でも幸せになれる輪があるとしたらそれはきっと、同じような傷を抱えたあなた達との輪でしかないと思うんだよね。」と経験した人しか分からない痛みに寄り添い、「最悪な日々を最悪だなあと笑えるように。不条理な毎日にハイキックしてぶっ飛ばせるようなアンタが悪人なら俺は安心して悪人になれる。正義面した奴等から取り戻そうぜ!青春ってやつを。」と

正義を貫くのが正しい訳ではない、悪人にしか分からない正義があることを教えてくれた「I'm i」

一音一音にメンバーそれぞれの想いが重なる。"僕が僕の生きる"意味になれるように不条理な毎日も笑えるように"と

サヨナラの最終回がなぜ音楽をやるのか歌詞にも込められている。本来なら皆で一緒に歌うレスポンスをDr.サウザー北斗が代弁するようにコーラスする。"心はほっといたって心を救っちゃくれないよだから 僕が僕の生きる意味になれるように"と最悪な日々つまり楽しいこと嬉しいこと以外に辛いこと悲しいことの方が多く、音楽やライブが嫌われてしまうこの世界に否定せず広い心で受け止めていた。"歌うんだ"とこれからも音を鳴らし続ける意思の強さと最後の一音まで想いが伝わった。『Nij!』が何を"意味"するのか、教えてくれたのはサヨナラの最終回だった。

あなたにも何も否定をせずに寄り添ってくれるサヨナラの最終回に出会ってほしい、そう強く思った。

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そして、緊急企画と始まったのは受講生3人(Rune、Reon、Hinata)による学生対談だった。

"青春とは?"の問いに対し「人生死ぬまで青春。」と答えるReonと「高校生だからこそ楽しめたあの時代。」と答えるHinata。そこから『Nij!』に込める想いやタイトル名の理由を打ち明けていく。

"青春ソングの紹介"ではHinataから「SHISHAMOの僕に彼女ができたんだ。」と高校時代秘密のお付き合いをしていた事と歌詞がマッチしており、聴くと思い出してしまう曲だとか。「SHISHAMOって女の子の気持ちを代弁している。」とSHISHAMOの音楽性や「好きな人と過ごす青春」を示した。

Reonからは「HYの366日。」と失恋系の曲をチョイス。その背景には「高校時代別れた後落ち込んでいた時に先輩が慰めてくれてランダムに曲を流したら流れてきた。付き合った期間は短いのになぜか泣いてしまい、先輩とか大爆笑。」と「当日としては甘酸っぱい感じの思い出でも、今では可愛い思い出。」と青春エピソードを語ってくれた。Runeからは「サカナクションのホーリーダンス。」と部活動や受験期間忙しく、人間関係や上手く進めない時にこの曲を聴いていたとか。「ホーリーダンスと放り出すが掛けられてて、1回投げ出して楽しんじゃおう!」と励まされてたと語る。するとHinataから「皆さんストレスたまってると思うんですよ。この曲を聴いてそんなストレスもホーリーダンス(放り出す)しちゃいましょう!」と笑いが絶えない雰囲気を作り出す。

「皆さんにとっての青春の1曲は何ですか?」と青春時代を思わず振り返ってしまう時間だった。

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後半戦にかかるとGORIとサヨナラの最終回からVo.Gt.のシバタによる対談が繰り広げられる。

Vo.Gt.シバタが「めちゃくちゃ気合いを入れてくれてたのを映像でも伝わったと思うんですけど学生さんもスタッフさんも本当に気合い入ってくれたんで、僕もめっちゃくちゃ気合い入れて挑めて超楽しかったです!」とライブへの気合いと感想を述べる。[映像作るの時間かかりそう][映像凄かった!]というコメントに対しVo.Gt.シバタは

「ライブッッ〜〜!!ライブやろッッ〜〜!!」と思わず本音と「頑なにライブのことを言わないんですね(笑)」と

トークを盛り上げる。GORIも[サヨサイのライブ行きたすぎて禿げそうです]というコメントに対し「もう禿げちゃってます(笑)」と鋭いツッコミも。Vo.Gt.シバタの学生時代の話では「僕、高校の時HEADLAMPのCD買ったりしてた。」「青春時代に聴いていたバンドとどんどん対バンできていって。だから夢あんなあと思いました!好きなこと頑張ったら。」とバンドマンとして夢を叶えたことを打ち明ける。それに対しGORIは「私がモー娘。さんに会ってるみたいな感じですもんね、モー娘。さんと対バンしてるということですよね!それはヤバいですね!」と自分事として受け止める。夢を持ち続ける難しさと共にいつかGORIが憧れているアイドルと対バンするのを楽しみになった。

GORIの青春ソングは「back numberさんの高嶺の花子さん。」とあの高校時代を思い出す曲と答える。「back numberさんによって高校時代が作られていたと言っても過言ではないぐらいの世代なんで。」とGORIの思い出に対しVo.Gt.シバタは「ちょっとこう手の届かない、もどかしいよなあああいう歌詞の感じ。」とback numberの良さを共感した。

終わりに近づくと『Nij!』ならではの各アーティストのサイン入りチェキが当たるキャンペーンの応募キーワードを発表した。アイドル(仮)とバンドマンが対談することやバンドマンがチェキを撮ることなど珍しいため、化学反応を巻き起こし視聴者にも楽しめる対談だった。「一度聴くと頭から離れられない中毒性のあるサウンドが印象的なHEADLAMPさんまもなく登場です!それではHEADLAMPの皆さんどうぞ〜!」とHEADLAMPのアタック映像へと続いた。

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Nij!』ラストを飾るのはHEADLAMP。

サポートGt.トシがリードしスタートした爽やかな青春ソング「アオハルロンド」

"春夏秋冬の四季があっても青春という季節は「ただ一つだけ。」"と忘れられない一瞬にするんだと今を謳歌するんだと早々に想いが伝わった。「HEADLAMPですよろしくねー!」とVo.Gt.平井が一気に盛り上げ

「振れー!タクト!」と歌い出したのは「タクトを振れ」

"さぁ奏でて進もう 苦しい時こそ生まれる歌がワンダーソング 君の人生だよ君が指揮をとれ好きなように"と捨て掛けた夢を光の差す方へ戻してくれる、部活動や人間関係など辛いときに聴きたい応援ソングだ。

Ba.白石が手を叩きながら一緒に歌おうと呼びかけ、Vo.Gt.平井も「皆楽しんで行こうね!」と画面の向こう側に視聴者に問いかけた。「最高の一日に!」と今を大切にしているのが感じ、「じゃあ君のタクト見せていこうな!」と『Nij!』に関わる全ての人と一緒にライブを作りたいんだとメンバーの表情からも溢れていた。

サポートGt.トシのが放つリズミカルなアルペジオで始まる「MAY」

この曲は6ヶ月連続配信企画の第一弾として作られ、夏と秋の狭間にあった葛藤を感じた。

"嫌いだった物が減っていくことが別に大人になったからじゃない"と

まるで思春期に悩み続ける少年を代弁しているかのように熱く歌う。

Dr.武村のハイハットと共に"涙堪え、歩みを止めた 夢はここで終わりなのかな、

いや生きていくのを悩んだその日も 確かに生きていた日々だ"と

自身の過去を振り返っているのではないかとまた自分にも当てはめて聞いてしまった。

"超えて超えて超えていけ"今までを超えるんだと強い意思とこの日を忘れないようにと少し寂しさも感じた。

MCに入り「Nij!やってきました!大阪からHEADLAMPです!」と紹介すると「なんかね、良いイベントですよ、良い日ですよ。本当にこんな大切なイベントに呼んでくれてありがとうございます。」と感謝を一礼に込めた。Vo.Gt.平井は「青春の時間って本当に限りないと思ってるんですよ。27の俺たちでも限りないと思ってるんです。20前後の子達が必死こいて今日作ってくれました。色んな多分障害もあったと思うんですよ。一つをね目指すっていうのは一丸となるっていうのは何回も多分ぶつからなあかんことやから。大変やったやろうなあ。だからこそ、今日胸を張って元気にできるんでしょうね。本当に開催できて良かったね。」とライブを創る大変さを代弁し、心を打たれ涙を流す学生もいた。

「そして画面の向こうで視ている皆!俺たち今日、今日が2020年ラストライブです。本当にまじで色んなことがあった年でした。」と誰も予測つかない未来を「だからこそ面白いんやろうな、だからこそ苦しくて乗り越えれるんやろうな。」と前向きに話す。「ほんの1ヶ月前までねバンドなんて出来へんのちゃうかなってすごい悩んだんですよ。」と

自粛期間中の本音を打ち明ける。「好きなライブハウスが潰れていって、大切にしてるしてたバイトが解散したりして休止したりして、その中で残っていく俺たちに何ができるんやろうって。向き合えば向き合う程こんな響でいいかなって思ったときありましたよ。」と沢山悩み初めて色んな人に相談したことを語る。「自分が悩んでる矛先って続けたいから悩んでんねんってなってことに気付いたんですよ。」と色んな人に聞いて話して色んな曲を聴いてバンドを続けたいと思った心の声が溢れていた。「その中の一曲も自分の曲なんですよ。あなたにとっては俺たちの一曲かもしれへんし誰かの一曲かもしれへんし。その瞬間がやっぱり音楽にはあるんですよ。」と音楽の力を述べ「やからやってて良かったなあと今日も胸を張って俺はステージに立てるんです。思いの籠った人たちと思いの籠った俺たちと、何か心を震える、久しく泣けてなかった奴が泣ける、笑えてなかった奴が笑えるようなステージをねあと2曲。全身全霊込めて歌いたいと思いますんで。」とライブや音楽がなぜ必要なのか、なぜ世の中に伝えたいのかと存在意義を気づかせてくれた。

「お前に歌っているからね。聞いてくれ。」と視聴者の誰かではなくあなたに歌っているのだと心が動かされた。

「今日はありがとうございましたHEADLAMPでした。」とVo.Gt.平井のバッキングギターと歌から始まり、

「笑えるように〜!NEW ORDERー!」とDr.武村のシンバルでメンバーの音が重なり、本当に音楽がライブが好きなんだと大好きなんだと、音楽を続けたい思いが伝わった。Ba.白石が「行こうぜー!」と放ち"ありのままの、ありのままの自分自身でいることだったろ。"とありのままの自分でいいんだと思えた。Vo.Gt.平井は「届いているかーい!聞いているかーい!ねえ皆ー!」と配信ライブで届いているのか不安でもライブバンドであることを忘れさせなかった。

Ba.白石の低音に拳を挙げながらVo.Gt.平井は「Nij!今は雨降ってるよ。時代に雨が降ってるよ。けど雨が過ぎたらこれが見えるよ。そんな時代を音楽とあなたとライブハウスと僕らで作っていこうよ。なあ!Nij!を作ろうよ!Nij!を作ろうな!」とこのライブタイトルである『Nij!』を作るのだと『Nij!』がこれからの未来であることを示した。

"この歌が君の側にいるよ、歌おう。"  "これでいいんた"という歌詞やメンバーの向き合っている姿からもこれがいいんだとバンドで音楽を鳴らし続ける決意を感じた。"俺の代わりに君が泣いてくれたから"と涙を拭うVo.Gt.平井。

Nij!ありがとうね!最後の一曲!こんな冬を越えれますように!パンジー!」とラストは「パンジー」

サポートGt.トシのリードギターからBa.白石が声に出し想いの籠ったサウンドで盛り上げる。終わりに近づいているかのようにアルペジオを鳴らしながらVo.Gt.平井は「ありがとうございましたー!」とこの場を惜しむように言う。

「またライブハウスで会おうな!」Dr.武村の強いシンバルにVo.Gt.平井、Ba.白石の想いをのせた声が会場に響き渡る。このライブがこの音が届けと言っているかのように画面越しでも自分たちの音楽を届けたい!ライブを届けたい!そんな強い想いが伝わってきた。"ここにある涙の種を"と拳を突き上げるメンバーの姿に今、ここにあるんだとここにいるんだと音楽で繋がっているのを実感した。"僕はまだ花を枯らしたくないよ 冬を越え春の風になる"とHEADLAMPのバンドへの道、そして『Nij!』が未来の見えない暗い冬から光が照らす春への架け橋となったのではないか。

Nij!本当にありがとう。またライブハウスで会いましょう!大阪高槻HEADLAMPでした!」と

次は画面越しではなく共存し合えるライブハウスで会うことを約束した。

ライブハウスで育ってきたHEADLAMPにライブハウスでまた会いたいと強く思った。

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最後を締めたのはGORI「リボン」から始まるエンドロール。

左には青春の日々が思い出される写真、右には手書きのクレジットが。

出演アーティストをはじめ、音響、照明、撮影、協力協賛企業など『Nij!』を創る上で支えてくれた人たちの

名前が記載されており、学生からの感謝の気持ちがひしひしと伝わってきた。

最後には「見てくださった皆様本当にありがとうございました!」と視聴者への感謝を込められた言葉と共に、

学生が0から創った『Nij!』は幕を閉じた。

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<セットリスト>

    GORI

1.アイドル(仮)

    MC

2.ピーターパンシンドローム

3.Stage

4.透明

    MC

5.リボン

 

​    サヨナラの最終回

1.才或る兎は侮らなゐ

2.VIDEOSYNDROME

3.あなたが読む物語

4.トーキョースカイメトロ

    MC

5.I'm i

川崎市立高津高校書道部

YOASOBI 夜に駆ける​

   HEADLAMP

1.アオハルロンド

2.タクトを振れ

3.MAY

    MC

4.NEW ORDER

5.パンジー

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おわりに。

最初から最後まで"青春を届けるフェス"のコンセプトが伝わり、

アーティストだけでなく書道パフォーマンス、学生企画、対談と視聴者を楽しめる工夫が凝らされていた。

出演アーティストからは「学生の想いが伝わり一緒にやりたいと思った。」「このライブに想いが強かった。」と、

視聴者からは「このライブをみて青春を感じられた。」「高校時代を思い出した。」などたくさんのお言葉を頂いた。

学生のアツい想いが伝わったからこそ、Nij!』が開催できたのだと改めて実感した。そして、学生の創るライブはこれで終わりではない。来年、再来年と続き、きっとこの暗い世の中を変えてくれるに違いないのだ。

音楽やライブの力を最大限に生かし"人それぞれの青春"を肯定した配信ライブであった。

 

 

ライブレポート:アーティストプロモーション講座

宣伝局長 兼子真利亜 作

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